備忘録キュリオス

非日常のカケラを集めよう

Cross Road 2024/4/26 マチネ

何気なく初演観たら音楽と物語が好みだったこの作品、再演と聞いて中川アムドゥスキアスが観たいと行って来ました。

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Wキャストは木内パガニーニ、有沙アリーシャ、畠中アルマンドです。

 

物語の流れはなんとなく覚えてましたが、前回は中川のあっきーさんすげぇな!?の感想しかなかったですねw

 

Cross Road

中川アムドゥスキアスは高音がさらに進化してます?ソプラニスタ並みにファルセットの高音が綺麗なんですけど、それがより悪魔らしさを表してて好きですね。ただ、綺麗すぎて後半にコーラスが入って来ると、コーラスと溶け合っちゃうので、youtubeくらいにマイクで調整して欲しいですね。指先までアムドゥスキアスなのですが、歌ってる最中は常に指先が器用な動きをしてるのですよ。腱鞘炎になりやすい身としては非常に腱鞘炎を心配しますw

 

Casa Nostalgia

春野さん良き。歌声が良き。トップスターだったんですって?その割にはファルセット綺麗じゃありません?逆にトップスターだったからこそ、地と裏を切り替えて歌わないといけないこのナンバーを歌いこなしてるんだと思います。

 

坂元コスタは嫌な部分が際立ってますね。だからこそ、真逆のベルリオーズも際立つ。上手いこと言えば金を払ってくれると分かってるから、パガニーニの限界を分かっていつつもパガニーニ母に上手いこと言って金づるにしてる最低な奴wただしちゃんと指導者としての素質はあると思います。

 

gifted reprise

中川アムドゥスキアスがパガニーニ母に対して早く捌けろよと、しっしってするのですが、めちゃしっしって言ってましたw

 

Asha the Gypsy 

このナンバーはパガニーニとアーシャの音楽に対する状況の対比がエグい。パガニーニはアムドゥスキアスと契約して命を削ってるし、アムドゥスキアスに捧げないといけない制限を受けてるけど、アーシャにとっては音楽は自由なんだよね。音楽をやる人には刺さるだろうし考えさせられますよね。

有沙アーシャはジプシーだけど純粋に移民なんだと思う。まさに天真爛漫。だからこそ、パガニーニに突撃出来て、人生の十字路に行っちゃうくらいパガニーニを慕う事が出来たんだろうし、パガニーニも心を開いたんだと思いますね。このcross roadパガニーニが心を開いてるのって母とアーシャ、アルマンドくらいですよね?家族以外だとアーシャだけですよね。コスタ先生には裏切られてるし、アムドゥスキアスは対立ですよね?

 

有沙アーシャがパガニーニの楽屋?でパガニーニの腕を掴んでぐるぐる回ったら、勢い良過ぎて木内パガニーニ尻餅ついてたけど、デフォでしょうか?

 

終わらない栄光

元栄エリザはプライドの高い貴族って感じが良いですね。アンサンブルがエリザに取り入ろうとアゲアゲしますけど、そんな見え透いた嘘はもちろん、ナポレオンの妹だからとエリザ自身を見ず、あわよくば利用しようとする民衆にうんざりが詰まったこのナンバー、元栄エリザは演技でも歌でもしっかり表現しててエリザにドンピシャなのですよ。

 

アンコーラ

このナンバーは普通の演奏者にとっては賞賛されてもう一回って言われてる訳だから嬉しいんだけど、パガニーニにとっては命が消えていくんですよね。良い曲なんだけど残酷なナンバーですよね。泣かない人います??

 

畠中さんは前回コスタとベルリオーズでしたけど、今回はアルマンドなんですよね。コスタとベルリオーズも良かったんですけど、断然アルマンドの方が畠中さんに合ってると思いますよ!こう考えるとやっぱり俳優ってすごいですね!畠中アルマンドはアドリブめっちゃ尺使いますし、めっちゃ笑い取りに来ます。ずっと緊張しっぱなしを解してお客様の集中力を持続させるてくれるのが上手い。

 

2幕で畠中アルマンドが「休暇を頂きます」たぶんここまでが台本。「はい!休暇ー!!」って左手でシャッター閉める→「コンサートに行くんです!」→「フィガロフィガロ♪…(エンドレス)」→「フィガロの結婚を観るんです!」→「何回言ったでしょうか!!」→上手でノリノリで行きますよのポーズ→そして、捌ける。何回言ったでしょうかと言われた木内パガニーニはちゃんと指を折って数えて何回か確かめようとしてましたよw

 

坂元ベルリオーズはコスタからガラッと変わって謙虚。コスタと同一人物なんだけど、めっちゃ別人やんってツッコミ入れたくなるくらい別人です。パガニーニからチケット代として資金を受け取った坂元ベルリオーズは中身を確認するといきなり素に戻って「え?え?え?おかしよね?」って言い出すから吹くよねw歌ってる時に坂元ベルリオーズが奥向いて前向いてって動くんだけど、奥向いたらスピーカーから声が聞こえるけど、前向いたら生声の方が音量あるし、スピーカーよりも声が大きいです。

 

コンサート前に中川アムドゥスキアスがパガニーニに燕尾着せた後に肩をポンと叩くんだけど、結構良い音するんですよw

 

春野パガニーニ母、アムドゥスキアスとコンサートで隣同士になった時、アムドゥスキアスに唆されても揺るがないその真っ直ぐさが良いですね。昔からニコロに対する自分の息子だから!っていう自信が強き母でもあり、いつでも味方の母である。こんな母いたらどんなに強がってても居なくなったら泣きますよね。そして、中川アムドゥスキアスが唯一敵わないのはパガニーニの母ですよね。春野パガニーニ母の息子への愛とか信頼とか真っ直ぐ過ぎて、アムドゥスキアスとしては理解に苦しむんだと思います。とてもわなわなしてた。

 

木内パガニーニ、母の前ではいつでも母の子。演奏してる時はもちろん、アーシャの前やアルマンドの前では弱みは見せません。母が亡くなったとの手紙で初めて弱さを見せるけど、こんなにも脆かったのかと言うくらい悲しみの演技が良きです。

 

畠中アルマンドのアドリブパート2、2幕コンサートラスト2回目でパガニーニが家に帰って来たら、畠中アルマンドが階段で寝てるんだけど、寝言がアドリブwアドリブに対して木内パガニーニが話しかけたら、しっかり返答返って来て寝てないやんwってなりましたw内容はポジティブでした。その後、木内パガニーニは何言ってるか分からないんだよと文句を言っておりましたw

 

中川アムドゥスキアス、1つ〜って契約内容を何度も言うんだけど、始めはご機嫌かって感じで軽い口調で言うんだけど、段々声も低くなりガッツリ釘刺して来ますね。なんか悪魔が本性を出して来てると感じさせます。

 

中川アムドゥスキアスが怒りを露わにしたのって、パガニーニの母に対してと最後の曲だけですよね。基本的に語尾に♪が付く。パガニーニの命を削って奏でられる音楽もアムドゥスキアスにとっては趣味の範疇で実に残酷だなぁと思いました。

 

木内パガニーニはアムドゥスキアスと契約して建前としてアムドゥスキアスに捧げて来たけど、ずっと母の為に捧げて来たんじゃないかな。

 

アンコーラ リプライズ

アルマンドの「アルマンドはあなたの音楽が大好きでした」のセリフで涙腺崩壊しません??このセリフにアルマンドパガニーニへの思いが全て詰まってると思いません?主人を愛してて主人の理解者で、ずっと支えてきて、本心で話したこともあれば嘘も方便で話すこともあって、この最後で愛を込めた本心の言葉、きっとアルマンドにとっては大切なセリフですね。

 

パガニーニの最期で中川アムドゥスキアスがパガニーニを包み込んで歌う訳ですが、これ良いですよね。アムドゥスキアスにとって一時の興だけど、素晴らしい音楽を奏でるパガニーニはいつしか愛する対象になってたって感じでしょうか?このシーンは初演と違って再演で加えられたものだそうですね。

 

カテコ

中川アムドゥスキアスが台の上で木内パガニーニと入れ替わりでお辞儀するんだけど、バサーっとマントを広げて木内パガニーニと入れ替わるタイミングで、木内パガニーニに当たらないようさらにマントを捌いててカッコよかったです。

 

キャスティングが皆さんドンピシャにハマってるのですよ。是非CDやDVD等で残して頂きたい!

再再演も待ってます!